地方には仕事がないと思っていた。実際は「IT相談相手」が足りていなかった

地方には仕事がないと思っていた。実際は「IT相談相手」が足りていなかった

地方には仕事がない。

移住前の私もそう思っていました。

でも先日、農業のデイワーク先で名刺を渡しただけで、ホームページとECサイトの更新案件をいただいたんです。

しかも驚いたのは、依頼された仕事そのものではありません。

お客さんが本当に困っていたのは、ホームページの更新ではなく、「Wordが分からない」「Excelが苦手」「AIをどう使えばいいのか分からない」という日常的な悩みだったのです。

地方で営業を続けて見えてきた、地方企業のリアルなニーズについて書いてみます。

農業バイト先で名刺を渡したら案件になった話

移住先での貴重な収入源と気分転換を兼ねて、私はたまに農業の単発バイトに行っています。

先日、いつもお世話になっている農家さんの社長に、Web制作の仕事をしていると伝えて名刺をお渡ししました。

すると数日後、社長から連絡があり、「ホームページとECサイトの価格更新をお願いしたい」とご依頼をいただいたのです。

サイトの裏側を見てみると、独自のCMSと、有名なECサイトの組み合わせでした。

どちらも普段使っていないシステムだったので最初は焦りましたが、なんとか調べて無事に納品を完了させることができました。

まさか農作業の合間に渡した1枚の名刺が、直接のWeb案件に繋がるとは夢にも思っていませんでした。

どんな場所で誰と繋がるか分からないからこそ、自分が何者なのかを伝える準備をしておくことは本当に大切です。

地方企業はWeb制作より「WordとAI」で困っていた

無事に納品を終えた後、お店の管理をされている奥様とお話しする機会がありました。

そこで相談されたのは、Webサイトの高度な改修ではありません。

「パソコンの操作があまり得意じゃなくて、WordやExcelの使い方がよく分からない」

「最近テレビでよく聞くAIって、うちの仕事でも使えるの?」

といった、IT全般に関するごく初歩的な質問や、お困りごとだったのです。

今回は実務の更新作業だけでしたが、まさにこうした「ちょっとしたこと」を聞かれたことに大きなヒントがあると感じました。

X(旧Twitter)を見ていると、世の中の誰もが最新のAIを使いこなしているように錯覚してしまいます。

しかし、地方の現実社会に一歩足を踏み入れると、そんな錯覚は見事に打ち砕かれます。

私たちが当たり前だと思っていることは、一般の方からすれば全くの別世界なんです。

だからこそ、ただホームページを作って終わりにするのではなく、こうした日常の疑問や悩みに寄り添うことこそが価値になるのだと感じました。

前の業者への不満から見えた意外なニーズ

さらに奥様のお話を聞いていくと、以前の業者に対するリアルな不満が見えてきました。

「前に頼んでいた人は、あちこち飛び回っていて連絡が取りづらかった」

「困っている時にすぐ来てくれないのがストレスだった」

お店を経営していると、土日や祝日の書き入れ時にトラブルが起きることが一番の死活問題になります。

そんな時に連絡がつかなかったり、対応を後回しにされたりするのは、事業者にとって非常に大きな不安です。

地方の事業者さんが本当に求めているのは、最先端の高度な技術だけではありません。

「何かあった時にすぐ相談できる」

「物理的な距離が近くて、顔を見て直接話せる」

こうした泥臭い安心感や関係性こそが、地方ビジネスにおいては何よりも強い武器になります。

この経験で分かったのは、地方企業はホームページを探しているのではなく、「困った時に相談できる人」を探しているということです。

「ホームページ作りませんか?」をやめた理由

今回の経験を通じて、私の営業スタイルに対する考え方は大きく変わりました。

現在、地元の建設会社や設備系の企業を中心に飛び込み営業を行っています。

3ヶ月限定の週1ペースで回っており、今はまだ40件ほどですが、はっきりとした手応えを感じ始めています。

そこで意識しているのは、「ホームページを作りませんか?」という売り込みは一切しないということです。

代わりに、「情報発信や採用でお困りのことはありませんか?」とヒアリングに徹しています。

相手が本当に困っているのは、Webサイトの有無ではなく、「どうやって人を集めるか」「どうやって日々の業務を効率化するか」という根本的な課題だからです。

これからは、単発の制作案件だけでなく、MEO(googleビジネスプロフィール)提案、AIツールの活用提案など、IT周りのサポートを丸ごと引き受けるようなパッケージプランを作っていきたいと考えています。

地方で仕事を作る人が最初にやること

地方には仕事がないのではなく、企業は「相談相手」を探しています。

あなたが当たり前にできることが、地方では価値になる場面が意外と多いです。

WordやExcelのちょっとした疑問に答えることかもしれません。

AIの活用方法について一緒に考えることかもしれません。

あるいは、ホームページの更新作業を引き受けることかもしれません。

今回相談された内容を振り返ると、ホームページ制作だけではなく、身近なITの悩みを相談できる相手が求められているのだと感じています。

私達にとっては小さな知識でも、相手にとっては大きな悩みの解決につながるはずです。

目の前のお客さんの話を聞き、自分にできることで役に立つ。

その積み重ねが、地方で仕事を作り出し、信頼を積み上げていくことにつながります。

地方には仕事がない。

私もそう思っていました。

でも実際に足を使ってみると、仕事がないのではなく、困っている人との接点がなかっただけでした。

以上、地方には仕事がないと思っていた。実際は「IT相談相手」が足りていなかったでした。

最近の投稿