こんにちは、ゆきしょうです。
東京から鹿児島に移住して7年になります。
移住先を決めるまでには2年かかりました。
移住フェアに何度も行き、ネットで調べ、雑誌も本も読みました。
それでも一番迷ったのは「どの都市がいいか」ではありませんでした。
「何を基準に決めればいいのか」のほうです。
移住におすすめの地方都市はどうやって選べばいい?
やりたいことより先に、やりたくないことを決めるのが早いです。
私は移住の前に、新潟県に3年間住んでいたことがあります。
自然が近くて食べ物もおいしく、街としては好きでした。
ただ、冬の雪の期間の長さがどうしても苦手でした。
この3年があったので、移住先の条件を「温暖な気候」と先に決められました。
決まっていることが1つあるだけで、候補は一気に減ります。
やりたいことは、住んでいるうちに変わったり増えたりします。
実際に私も、移住してからやりたいことが増えました。
でも、やりたくないことはあまり変わりません。
満員電車に乗りたくない。
人混みに行きたくない。
狭い家に住みたくない。
こういう「嫌なこと」のほうが、移住先選びでは長持ちします。
移住希望地ランキングで人気なのはどこ?
2025年の1位は群馬県、2位は栃木県、3位は長野県でした。
ふるさと回帰支援センターの発表によるものです。
東京・有楽町の窓口に来た相談者へのアンケートをもとにした順位です。
2025年の移住相談は73,003件でした。
前の年から18.3%増えて、5年続けて過去最多を更新しています。
上位3県はいずれも、首都圏から行き来しやすい場所にあります。
東京と縁を切る移住ではなく、つながりを残す移住が選ばれています。
もうひとつ、発表の中に気になる記述がありました。
2025年の夏以降、生成AIに相談した結果を持って窓口に来る人が急増した、というものです。
AIに地域を勧められて、その裏を取りに来るという流れです。
移住先の調べ方そのものが、変わりはじめています。
移住生活におすすめの地方都市7選はどこ?
松本、浜松、高知、前橋、金沢、宇都宮、熊本の7つです。
いずれも県庁所在地か、それに近い規模の都市です。
いきなり山あいの集落に入るより、まずこの規模から始めるほうが失敗しにくいです。
なお、これから書く列車の所要時間はダイヤで変わります。
実際に検討するときは、各鉄道会社の公式サイトで確認してください。
それから、7都市すべてに共通する話をひとつ先に書いておきます。
地方都市は「中心部なら車がなくても暮らせる」という言い方をされがちです。
ですが実際には、少し外れると車がないと厳しくなります。
どの街を選ぶにしても、車を持つ前提で家計を組んでおくほうが安全です。
長野県松本市
人口は約23万人です。
長野県のほぼ中央にあり、市街地から北アルプスが見えます。
新宿から特急1本で行けるので、東京との行き来はしやすいほうです。
市内と周辺に温泉地が多く、日常的に温泉に入れます。
ただし冬は冷え込みますし、雪も降ります。
寒さが苦手な人は、冬に一度泊まってから決めたほうがいいです。
新潟の冬を経験した身から言うと、雪のある暮らしは想像より体力を使います。
雪かきも、路面の心配も、毎年きちんと回ってきます。
山が好きで、寒さが平気な人に向いています。
静岡県浜松市
静岡県でいちばん人口の多い市です。
東京と大阪のほぼ中間にあり、新幹線でどちらへも出やすい場所にあります。
気候は温暖で、日照時間が長い地域です。
ヤマハやスズキなど製造業の企業が多く、働き口の幅があります。
東京と大阪の両方に用がある人には、置き場所として便利です。
注意したいのは、市の面積が全国の市で2番目に広いことです。
同じ浜松市でも、駅の近くと山あいでは暮らしがまったく違います。
物件を見るときは、市名ではなく地区の名前まで見てください。
移住しても仕事の種類を変えたくない人に向いています。
高知県高知市
人口は約31万人です。
北に山、南に太平洋があり、気候は温暖です。
日曜市という青空市が街なかで開かれ、日常の買い物の場になっています。
高知県には「こうち二段階移住」という制度があります。
まず高知市に住み、そこを拠点に県内を回って本当の移住先を探すという考え方です。
いきなり田舎に入るのが不安な人は、この制度がある時点で候補に入れていいです。
私たちがやったことを、県がそのまま制度にしているようなものです。
ただし高知は、本州から行くのに飛行機か乗り換えが必要です。
実家に頻繁に帰るつもりなら、その往復にかかる時間とお金を先に計算してください。
群馬県前橋市
人口は約33万人です。
移住希望地ランキングで2年連続1位の群馬県、その県庁所在地にあたります。
高崎まで電車ですぐ出られて、そこから新幹線で東京に向かえます。
市街地に住むか、赤城山のふもとに住むかで暮らしがかなり変わります。
同じ市内で都市型と田舎型を選べるのは、移住では大きな利点です。
相談件数が全国1位ということは、同じことを考えている人が多いという意味でもあります。
窓口の情報は、早めに取りにいくほうがいいと思います。
東京の勤務先を残したまま住まいだけ変えたい人に向いています。
石川県金沢市
人口は約45万人です。
北陸新幹線が通っていて、東京へは乗り換えなしで行けます。
城下町の街並みが残り、美術館や工芸が身近にあります。
魚も野菜も和菓子も、食べ物の評価が高い街です。
一方で冬は雪が積もります。
街の文化を手放したくない人には、地方都市の中でも上のほうだと思います。
栃木県宇都宮市
人口は約51万人です。
移住希望地ランキング2位の栃木県、その県庁所在地です。
新幹線で東京まで1時間かからないので、週に数回の出社なら現実的な距離です。
LRT(次世代型の路面電車)が走っていて、車がなくても動ける範囲があります。
餃子の店が多いことでも知られている街です。
ただし新幹線通勤には定期代がかかります。
勤務先の通勤手当に上限があるかどうかを、移住を決める前に確認してください。
ここを見落とすと、浮いた家賃がそのまま定期代に消えます。
出社を完全にはやめられない人に向いています。
熊本県熊本市
人口は約73万人です。
九州の中央にあり、新幹線で博多にも鹿児島にも短い時間で出られます。
水道水の水源が100%地下水という、めずらしい都市でもあります。
人口50万人を超える都市では、日本でここだけです。
政令指定都市なので、病院も学校も買い物先も一通りそろっています。
九州で暮らしたいけれど、都市の便利さは手放したくない人に向いています。
私が住む鹿児島から見ても、熊本は「行けば大抵のものがある街」です。
九州の中では、鹿児島より熊本のほうが本州に近い分だけ動きやすいです。
その代わり、政令指定都市なので中心部と郊外の差はしっかりあります。
区の名前まで見て、どのあたりに住むかを考えてください。
都市の紹介に出てくる数字は、住んでから役に立つ?
半分くらいは役に立ちませんでした。
移住前、私も都市ごとの数字を並べて比べていました。
病院がいくつある。
学校がいくつある。
住みやすさランキングで何位。
実際に7年住んでみて、この手の数字はほとんど効きませんでした。
理由ははっきりしています。
暮らすのは市の全体ではなく、その中の1つの地区だからです。
私たちは最初に鹿児島市に移住しました。
人口約60万人の県庁所在地で、東京とほぼ変わらない生活ができました。
3年住んだあと、人口約3万人の南九州市に移りました。
同じ県の中でも、暮らしはまるで別物です。
さらに言えば、同じ市の中、同じ町内の中でも違いました。
集落が変われば、雰囲気も行事も暗黙のルールも変わります。
これは市の統計には出てきません。
代わりに、実際に効いた数字は2つだけでした。
1つは気候です。
新潟の冬で懲りていたので、温暖な地域に絞ったのは正解でした。
もう1つは、生活に必要な場所まで車で何分かかるかです。
スーパー、病院、学校、職場。
この4つまでの時間が、毎日の疲れ方をそのまま決めます。
そして数字に出ないもので一番効いたのは、現地の知り合いでした。
南九州市で最初に借りた家は、不動産屋で見つけた物件です。
その家には半年しか住みませんでした。
今住んでいる家は、移住してから知り合った方が直接声をかけてくれた物件です。
不動産屋のサイトには出ていませんでした。
前より家賃が下がり、家は広くなり、周りの環境も良くなりました。
だから、いきなり本命の田舎に飛び込まないほうがいいと思っています。
まず近くの地方都市に住み、そこから通って知り合いを作る。
この順番だと、合わなかったときの傷が浅くて済みます。
移住支援金は本当に300万円もらえる?
移住支援金だけなら、世帯で最大100万円です。
300万円は、起業支援金と組み合わせたときの上限額です。
内閣官房の地方創生サイトには、こう書かれています。
- 移住支援金は世帯で最大100万円
- 単身の場合は最大60万円
- 起業支援金は最大200万円
- 両方を受けた世帯が最大300万円
つまり、移住して会社に就職するだけでは300万円になりません。
「最大300万円」という見出しだけで資金計画を立てると、確実に足りなくなります。
さらに、支援金には条件があります。
東京23区に一定の期間、住んでいたか通っていたこと。
移住先が支援事業をやっている市町村であること。
就業か起業が、決められた条件を満たしていること。
金額も条件も市町村ごとに違うので、候補地の役所のページを必ず見てください。
移住の前にやっておくことは?
下見とお試し移住、それから住まいと引っ越し費用の確認です。
私たちは夏に2泊3日で下見に行き、その土地を気に入りました。
2回目は冬に、お試し移住の制度を使って1週間滞在しました。
3LDKで生活用品がそろっていて、芋焼酎まで付いて1泊2,000円でした。
夏と冬の両方を見たのは、結果的に良かったと思います。
同じ場所でも、季節が変われば別の顔をしています。
住まいについては、地方は物件の数そのものが少ないです。
先に相場を見ておくと、現地に行ったときの判断が速くなります。
そして見落としやすいのが、引っ越し費用です。
長距離の引っ越しは、業者によって見積もりが大きく変わります。
支援金をもらっても、引っ越し代で相殺されたら意味がありません。
複数の会社をまとめて比べておくと安心です。
移住先の決め方をもう少し細かく知りたい方は、こちらに書いています。
7年住んだ今も、移住が正解だったのかは分かりません。
ただ、決め方だけは間違えなかったと思っています。
以上、移住におすすめの地方都市7選と、7年住んで分かった選び方でした。

