こんにちは、ゆきしょうです。
地方へ移住したい人が、仕事とセットで考えやすいのが地域おこし協力隊です。
周りには、任期のあとも残って活躍している人が何人かいます。
一方で、検索すると「やめとけ」「ひどい」という言葉も並びます。
どちらが本当なのかを、総務省の資料で調べました。
地域おこし協力隊とは、どんな制度?
都市部から地方へ住民票を移し、地域の仕事をしながら定住を目指す、総務省の制度です。
隊員は自治体から委嘱を受けて、おおむね1年から3年活動します。
仕事の中身は自治体ごとに違います。
農業や林業、特産品の開発や販売、観光のPR、住民の暮らしの手伝いなどです。
令和7年度は8,196人が、全国1,187の自治体で活動しました(総務省・2026年4月公表)。
年齢は20代が33.6%、30代が30.1%、40代が20.1%で、50代以上も約16%います。
国の支援の対象になるのは、3大都市圏などの都市部から、過疎地域などへ住民票を移した人です。
今の住所で応募できるかは、募集要項で確かめてください。
給料はいくら?どこから出ている?
給料は自治体が決め、国はそのお金を特別交付税という形で自治体に出しています。
国が支える上限は、隊員1人あたり年550万円です(2026年10月時点)。
そのうち給料にあたる報償費は350万円です。
専門性の高い人なら450万円、交通の不便な辺地などなら400万円まで上げられます。
どちらの場合も、合計は550万円までです。
残りは、住まいや活動用の車の借り上げ、作業道具、研修などに使う活動費です。
ただ、これは国が支える上限にすぎません。
実際の月給や、家と車が用意されるかどうかは、自治体ごとに違います。
自治体との契約の形は、主に2通りあります。
一般的なのは、自治体の会計年度任用職員として雇われる形で、フルタイムとパートタイムがあります。
もうひとつは、雇われるのではなく業務委託の契約を結ぶ形で、すでに自分で事業をしている人などが使います。
委託の場合は、着任前に仕事の中身と成果物を決め、契約書を交わすのが本来の形です。
委嘱状だけで契約書がないと、もめたときに困ると総務省も注意しています。
任期が終わったあと、何割が残っている?
約7割が、活動した地域かその近くに残っています。
直近5年間に任期を終えたのは8,762人です(総務省・令和7年度調査)。
そのうち70.3%にあたる6,163人が、同じ地域に定住しました。
内訳は、活動した市町村に残った人が57.5%、近くの市町村に移った人が12.8%です。
他の地域へ出ていった人も23.0%います。
同じ市町村に残った5,038人の仕事は、起業が約46%、就職が約35%、農林漁業が約12%でした。
起業の中身は、古民家カフェや農家レストラン、ゲストハウス、デザイナーや写真家、ライターなどです。
定住率は都道府県でも差があります。
北海道は78.3%、私が住む鹿児島県は72.4%、秋田県は55.9%でした。
「やめとけ」と言われるのはなぜ?
制度そのものより、受け入れる自治体の準備に差があるからです。
総務省も自治体向けの手引きで、活動費の使い方をめぐって、行政の説明不足によるトラブルが見られると書いています。
移住を発信しているブロガーの中には、外れの形として次の3つを挙げる人もいます。
ひとつは、役場の雑用係のように使われること。
ふたつめは、「商店街の活性化」のような大きすぎる仕事を、ひとりに丸投げされること。
みっつめは、相談できる人がいないまま放っておかれることです。
もうひとつ見落としやすいのが、任期のあとの仕事を決めないまま入ることです。
給料が出るのは任期のあいだだけで、そのあとの暮らしは自分で作ることになります。
言われた仕事をこなしたい人より、任期中に自分の仕事を育てたい人に向いた制度です。
応募する前に、何を確かめればいい?
募集要項の中身と、その自治体のこれまでの実績を確かめてください。
総務省は自治体向けの手引きで、募集要項に書くとよいことの例を挙げています。
1年目から3年目までの活動の想定と、任期が終わったあとの想定。
兼業や副業ができるかどうか。
住宅の間取りや写真、先輩隊員の活動の紹介。
ここまで書かれている募集は、受け入れの準備に力を入れている目安になります。
面接では、これまで何人の隊員がいて、何人が残っているかを聞いてみてください。
活動費をどこまで使えるかと、困ったときの相談相手が誰かも大事です。
兼業は、フルタイムの会計年度任用職員だと、自治体の許可が要ります。
パートタイムなら、この制限の対象外です。
任期中から自分の仕事を育てたい人は、ここを最初に確かめておくと安心です。
いきなり3年を決めるのが不安なら、お試しの仕組みもあります。
「おためし地域おこし協力隊」は主に2泊3日、「地域おこし協力隊インターン」は2週間から3ヶ月です。
どちらも、住民票を移す必要はありません。
全国の募集は、JOINの協力隊のページでまとめて探せます。
制度の説明は、総務省のページにあります。
任期のあとに起業するなら、何から始める?
個人で起業するなら、まず税務署に開業届を出します。
協力隊の起業には、国の後押しもあります。
活動した市町村の中で、任期2年目から任期後3年以内に起業や事業の引き継ぎをする人が対象です。
自治体がその経費を出すと、国が1人100万円まで支えます。
新しく人を1人以上雇う場合は、200万円までです。
使えるかどうかは自治体しだいなので、応募の段階で聞いておくと安心です。
私は移住先の鹿児島で、開業届と青色申告の申請書を「freee開業」を使ってネットで出しました。
そのときの手順は、こちらに書いています。
協力隊のほかに、移住先の仕事はどう探す?
協力隊は、移住先の仕事の選び方のひとつです。
ほかの仕事や、探し方はこちらにまとめています。
以上、地域おこし協力隊の仕組みと、応募前の見分け方でした。

